生理痛

生理痛は子宮内膜症や子宮筋腫によるものもありますが、多くは特に子宮や卵巣に異常のない「単なる生理痛がひどい症候群」(的確な医学用語がない、月経困難症と言う用語があるがこれは内膜症や筋腫があってもなくても使用する用語のなので少し当てはまらない)のようです。

原因のない生理痛

 何らかの原因が考えられる場合はその治療をしなければなりませんが、特に原因がない場合は対症療法(症状それぞれに対して場あたり的な治療を行う、痛いなら痛み止め、吐き気があれば吐き気止めなど)を行います。生理痛の場合は痛み止めを使うのですが、痛み止めにもいくつかありますし、痛みの原因と考えられる子宮の筋肉の収縮を抑えるような薬も使うこともあります。これは患者さんそれぞれで効く薬が違うのでいろいろと試してみるほうがよいでしょう。漢方薬も結構効きます。

ピルによる治療

避妊薬のピルを使用するという方法もあります、最近は生理痛用のピルもあります(保険適応ですが、結局値段は一緒です)。生理の量も減りますし、痛みも減ります。人によって効果は変わりますが、おおむね半分くらいにはなるようです。またピルは生理をコントロールすることが可能なので、仕事の都合などで生理の起こる時期を変えたりとか、場合によっては生理を2-3カ月おきにしてしまうなどということも可能です。ただしこの場合1相性のピルを使う必要があります。ところでピルは次に起こる生理をコントロールする薬です、したがって今ある生理痛をピルを飲むことで軽減することはできません。

生理痛以外の症状も確認を

たまに生理痛のために病院に救急車で運ばれて来る方があります。このような場合はほかに合併症がなければ子宮の筋肉の収縮(痙攣とも言う)を止めるための注射をします。普通はこれで大体良くなります。もちろん本当に生理痛なのかということを確認しなければなりませんので、それなりの診察は必要です。少なくとも卵巣が腫れていないか(卵巣嚢腫茎捻転)とかおなかの中に出血がたまっていないか(子宮外妊娠破裂など)、虫垂炎などの症状はないかなどの確認は必要でしょう。

 

婦人科ノートに戻る  次は子宮内膜症